一般的な質問
- CMEターム物SOFRとは何ですか?
- CMEターム物SOFR参照金利の計算にはどのようなデータが使われていますか?
- CMEターム物SOFR参照金利はどのように計算されますか?
- ターム物SOFRはいつ公表されますか?
- CMEターム物SOFRデータへのアクセス方法を教えてください
可能な使用方法とライセンス契約について
- CMEターム物SOFR参照金利にアクセスまたは使用するにはライセンスが必要ですか?
- CMEターム物SOFR参照金利は現在どのように使われていますか?
- CMEターム物SOFRのデリバティブでの利用が制限される理由は何ですか?
報告
- CMEターム物SOFRへのアクセスや使用に関して、どのような報告義務がありますか?
- ディスプレイ装置に関する報告書は、どのように提出すればよいですか?
- CMEはライセンス供与時にどのような情報を求めますか、そしてその情報は個人情報とみなされますか?
規制の状況と業界団体のガイダンス
一般的な質問
1. CMEターム物SOFRとは何ですか?
CMEターム物SOFR参照金利ベンチマークは、日毎に算出・公表される一連の前決め金利予測で、1ヵ月物、3ヵ月物、6ヵ月物、および12ヵ月物があります。
CMEターム物SOFR参照金利は、
2. CMEターム物SOFR参照金利の計算にはどのようなデータが使われていますか?
現在、SR1先物(CME 1ヵ月物SOFR先物)の連続する13限月と、SR3 先物(3ヵ月物CME SOFR先物)の5限月の取引データを使用しています。3ヵ月物、6ヵ月物、12ヵ月物はSR3によって裏付けられており、利用可能な場合はSR1のボリュームも加味されます。SR3はユーロドル先物の代替となる先物です。
3. CMEターム物SOFR参照金利はどのように計算されますか?
取引に設けられた複数の時間帯で観測された取引価格に基づき、一連の出来高加重平均価格(VWAP)が計算されます。これらのVWAPを推計モデルに入力してターム物SOFR参照金利が決定されます。計算方法の詳細についてはTerm SOFRのWebページをご覧ください。
4. ターム物SOFRはいつ公表されますか?
CMEターム物SOFR参照金利は、ニューヨーク連邦準備銀行がSOFRを計算・公表するすべての日に, 米国証券業金融市場協会(SIFMA)が推奨する米国休日スケジュールに従って算出されます。SIFMAによる米国の祝日には、データサンプリング、計算および公表は行われません。
公表時間は米中部時間の午前5時です。
計算方法に記載されているように、CMEターム物SOFR参照金利の公表は、約定日前日にサンプリングされたデータに基づき、約定日(T)に行われます。また、ターム物SOFR金利の参照期間の開始日は、下図のように約定日の2営業日後となります。
CMEターム物SOFR参照金利
データサンプリングおよび公表は、米国証券業金融市場協会(SIFMA)が推奨する米国の休日スケジュールに従って、営業日にのみ行われます。SIFMAによる米国の祝日には、データサンプリングおよび公表は行われません。
5. CMEターム物SOFRデータへのアクセス方法を教えてください
CMEターム物SOFRは、データ再配信パートナー、CME DataMine、CMEのマーケットデータ・プラットフォームを通じて入手可能です。
CMEターム物SOFR参照金利はCBAのウェブサイトでもご覧いただけます。CMEグループのウェブサイトのアクセスによるデータの使用については、CMEGroup.comのデータ使用条件に従って「閲覧のみ」に限定されます。
可能な使用方法とライセンス契約について
6. CMEターム物SOFR参照金利にアクセスまたは使用するにはライセンスが必要ですか?
- CMEターム物SOFR参照金利を価格評価、価格設定、取引、あるいはベンチマークとして、さらにはサービス提供の一環としてデータ入力や参照に使用するためには、情報ライセンス契約(ILA)に基づき、使用ライセンスをCMEグループから直接取得する必要があります。
- エンドユーザーについては、借り手またはカウンターパーティである限り、使用ライセンスは必要ありません。ただし、CMEターム物SOFRを参照する、または利用して価格が決定される資産を管理する活動については、ライセンスが必要となる場合があります。
- 業務上社内のディスプレイ装置にCMEターム物SOFR参照金利を表示する場合には、定型の社内使用の契約書(internal use subscriber agreement)を用いて、CMEと直接、または正規代理店・ベンダーとライセンス契約を結ぶことになります。
- CMEターム物SOFR参照金利をディスプレイ目的ではなく使用する場合にはCMEとの直接ライセンス契約が必要です。
- CMEターム物SOFR参照金利を第三者に配布する場合は、配信用のライセンス(Distribution License)が必要です。
- 上記の他、CME DataMineを通じてCMEターム物SOFR参照金利の過去データにアクセスしたい利用者は、もライセンス契約が必要です。
データライセンスに関するご相談やライセンス締結についてはCMEのデータ担当セールスにお問い合わせください。
7. CMEターム物SOFRはどのようにすれば利用できますか?
カテゴリー1 – キャッシュ商品での使用
キャッシュ商品において、経過利子の計算、デフォルト率、およびクローズアウトの計算のために、またはキャッシュ商品(例、ローン、住宅ローン、債券、マネーマーケット商品)の参照金利をLIBORから移行する目的でCMEターム物SOFR参照金利を使用すること。
キャッシュ商品での使用が認められているカテゴリー1には、典型的に以下のようなものが含まれます。
✔ ビジネスローン:ターム物SOFRを参照する相対ローンおよびシンジケートローンは、カテゴリー1の下で認められています。シンジケートローンの貸し手側参加者はいずれもカテゴリー1のライセンスが必要です。
✔ 同一グループ企業間融資:企業間融資におけるCMEターム物SOFRの利用は、企業が貸し手の役割を担うことから、カテゴリー1の下で認められています。
✔ ターム物SOFRを参照する証券化商品:CMEターム物SOFRを参照するビジネスローンやキャッシュ商品を原資とする証券化商品CMEターム物SOFRの利用は認められています。
✔ 既存のキャッシュ商品からの移行:LIBORを参照する既存のキャッシュ商品からの移行へのCMEターム物SOFRの利用は認められています。
カテゴリー 2 – 店頭デリバティブでの使用:
✔ 店頭デリバティブ商品:デリバティブ商品(例、仕組債、スワップ、ベーシス・スワップ、有価証券関連スワップ、フォワード、ワラント、オプションおよびその他類似のデリバティブ商品)については、CMEターム物SOFRを参照する一つまたは複数のキャッシュ商品に対するエンドユーザーのエクスポージャーをヘッジする場合に限られます。
✔ 固定金利債務のスワップ:固定金利債務のターム物SOFRへのスワップは、既存のターム物SOFRを参照するエクスポージャーをヘッジする場合に認められています。
✔ ベーシス・スワップ:ベーシス・スワップ(ターム物SOFRとSOFR OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップとのベーシス)は、ディーラー市場参加者同士を除き、認められています。
⛌ ディーラー間取引:デリバティブ商品のインターディーラー(ディーラー間)取引は、ターム物SOFRの使用範囲に関するARCCガイダンスに従います。
OTCデリバティブ商品における使用が認められているカテゴリー2には、典型的に以下のようなものが含まれます。
- 借り手によるターム物SOFRへのエクスポージャーのヘッジ:借り手は店頭デリバティブ商品を使ってターム物SOFRへのエクスポージャーをヘッジすることができます。ヘッジに使う店頭デリバティブ商品は、貸し手が取引相手である必要はありません。
- 貸し手によるターム物SOFRへのエクスポージャーのヘッジ:貸し手は店頭デリバティブ商品と社内外のデリバティブ・デスクを使ってターム物SOFRへのエクスポージャーをヘッジすることができます。
- 借り手にデリバティブ商品を使ったヘッジを提供する貸出デスクは、ディーラー間デリバティブ市場に参加していない場合には、デリバティブ・エクスポージャー相殺のために第三者を利用することが可能です。
- 投資家によるターム物SOFRへのエクスポージャーのヘッジ:ターム物SOFRにリンクしたローンまたは証券化商品を購入する投資家は、店頭デリバティブ商品を使ってターム物SOFRへのエクスポージャーをヘッジすることができます。
- シンジケーション参加者:シンジケーション参加者は、クレジット・リスクの軽減を目的とする場合に限り、ターム物SOFRを参照するOTCデリバティブ商品の取引を連続して行うことが認められています(ターム物SOFRから生じる市場リスクをインターバンクで分配することは認められていません)。
カテゴリー3 - 財務、リスクおよび取引管理サービスでの使用
外部顧客に提供する商品やサービス(例、財務およびリスク管理、取引管理サービス、評価サービスを含む取引前後に提供されるサービス)におけるCMEターム物SOFR参照金利の利用。
サービス・プロバイダーは、CMEターム物SOFRのカテゴリー3の使用に関するライセンスをCMEから直接取得する必要があります。このようなサービスを受ける顧客は、サービス利用のためにCMEからライセンスを取得する必要はありませんが、利用形態によってはCMEのライセンスが必要になることがあります。
カテゴリー1または2のライセンス取得者が、顧客にバリュエーション、金利および価格に関する情報を提供する、またはカテゴリー1またはカテゴリー2の顧客との取引商品に関連して同様の計算を提供する場合には、この活動に関するカテゴリー3のライセンスは必要ありません。誤解を避けるために付け加えますと、このようなサービスによって管理される取引の直接の当事者ではないサービス・プロバイダーが当該サービスを提供する場合のみ、カテゴリー3のライセンスが必要になります。
ライセンス条件およびベンチマーク・データの使用料については、CMEグループの情報ライセンス契約(ILA)のウェブサイトをご覧ください。
市場参加者の皆様は、ライセンスに関するお問い合わせはCMEグループのデータセールス部門にお問い合わせください。
8. CMEターム物SOFRのデリバティブでの利用が制限される理由は何ですか?
当グループがCMEターム物SOFR参照金利の利用を制限する方針は、CMEターム物SOFR金利の構成に使われる原資産であるSOFR関連デリバティブの出来高を、過度に損なわないようにするためです。
当グループの方針は独立したものではあるものの、ターム物SOFRの適切な使用範囲の推奨に関するARRCのガイダンスと一致しています。
報告
9. CMEターム物SOFR参照金利へのアクセスや使用にあたり、どのような報告義務がありますか?
CMEの報告要件は、データへのアクセス方法や利用方法によって異なります。この点については、当グループの「報告および監査ガイド」(リンク先はこちら)で詳しく説明しています。
CMEターム物SOFRにアクセスする場合の標準的な報告義務は何ですか?
ディスプレイ装置 - ディスプレイ装置を使ってCMEターム物SOFRにアクセスする場合の報告義務は、2023年1月から発生します。
認定されたデータ配信業者が提供する画面上でCMEターム物SOFRを閲覧する場合には、以下のような報告義務が発生します。
- お客様の会社がデータにアクセスする際に使用するディスプレイ装置の総数は、データ配信事業者のみが直接当社に報告します。
- 装置の合計数は拠点ごとに毎月報告されます。
- この拠点ごとの報告には、会社名、会社の所在地、CMEターム物SOFRデータにアクセス可能な装置の総数が含まれます。
- 個人またはユーザーレベルの詳細な報告は必要ありません。
画面上でCMEターム物SOFRを閲覧し、かつライセンス契約者がディスプレイ装置へのアクセスを管理している場合には、以下のような報告義務が発生します。
- お客様の会社がデータにアクセスする際に使用するディスプレイ装置の総数は、ライセンス契約者が直接当社に報告する必要があります。
- 装置の合計数は拠点ごとに毎月報告されます。
- この拠点ごとの報告には、会社名、会社の所在地、CMEターム物SOFRデータにアクセスできる装置の総数が含まれます。
- 個人またはユーザーレベルの情報の報告は必要ありません。
CMEターム物SOFRが「非ディスプレイ・ベンチマーク使用」の条件の下で利用されている場合、ライセンス契約者はこのような利用に関して報告義務はありません。
使用カテゴリー1、2および3に関する報告義務とはどのようなものですか?
CMEグループ・ベンチマーク・アドミニストレーション社(CBA)は、英国のBMRの規制下にあり、CMEターム物SOFRを参照する金融商品の想定元本をBMRに報告する義務を負います。こうした報告は、BMRがベンチマークの使用状況や金融システム上の重要性を判断するのに寄与しています。
したがって、CMEはライセンス取得者に対し、CMEターム物SOFRを参照する金融商品の想定元本の合計額を報告するよう求めています。カテゴリー1とカテゴリー2の商品を合算した想定元本か、カテゴリーごとの想定元本か、いずれの報告でも構いません。この要請は基準時点における評価であり、毎年1月に実施され、2月が期限となる予定です。ただし、2022年については延期となり、2023年から開始される予定です。
カテゴリー3の使用については、現在、報告は義務付けられていません
10. ディスプレイ装置に関する報告書をCMEグループに提出するには、どのようにすればよいですか?
当社では、エクセル形式の報告用テンプレートを提供しています。報告用テンプレートは、CME Data Services Portalからダウンロードできます。
報告用テンプレートのサンプルもこちらからご覧いただけます。
記入済みのテンプレートは、同一のポータルを使用して提出する必要があります。毎月、レポートを提出できるよう、お客様固有のアクセスポイントが提供されます。下の図は、レポート提出用画面のスクリーンショットです。
報告に関する詳細は、「Device Reporting Fact Sheet」をご参照ください。または、御社担当のグローバル・アカウント・マネージャーにご連絡いただくか、marketdata@cmegroup.comからご連絡ください。
11. CMEはライセンス供与時にどのような情報を求めますか?
通知、連絡、請求に関わるライセンス契約を管理するために、当社はお客様の会社に関する情報(会社名、会社の住所、あらゆる連絡事項の送信先Eメールアドレス、契約に関してお客様にご連絡する際の電話番号)を必要とします。こうした情報は機密情報であり、契約に基づく義務を履行するために当社のみが使用します。
規制の状況と業界団体のガイダンス
12. CMEターム物SOFR参照金利は、BMR下で利用可能ですか?
13. 2023年12月に第三国移行期間が終了した後はどのようになりますか?
移行期間終了後にEUでベンチマークを使用するには、第三国のベンチマーク、EUのベンチマークもしくは同等のものとして、ベンチマークをEUに登録する必要があります。また、EUのために移行期間をさらに2年延長し2025年までとするオプションも用意しています。CMEグループは、移行期間終了後も、CMEターム物SOFRがEUでベンチマークとして利用できる状況を確保することをお約束します。
14. CMEターム物SOFR参照金利はIOSCOに準拠していますか?
1ヵ月物、3ヵ月物、6ヵ月物および12ヵ月物CMEターム物SOFR参照金利は、業界のベストプラクティスを満たし、かつ「金融ベンチマークのためのIOSCO原則」に準拠して設計されています。IOSCOへの準拠声明は、CBAのWEBページからご覧いただけます。
15. CMEターム物SOFR参照金利は代替参照金利委員会(ARRC)の支持を得ていますか
ARRCは、2021年7月29日に1ヵ月物、3ヵ月物、6ヵ月物のCMEターム物SOFR参照金利を、2022年5月19日に12ヵ月物参照金利を承認するとの公式発表を行っています。
CMEターム物SOFR参照金利は、特定の使用方法においてARRCの支持を得ており、ARRCによる「適切な使用範囲の推奨」に示されています。
CMEターム物SOFR金利
CMEターム物SOFR参照金利は、デリバティブ市場に織り込まれている予想に基づき、翌日物SOFRを前決めで計測する指標を提供します。
免責事項
先物取引やスワップ取引はあらゆる投資家に適しているとはいえず、損失リスクを伴う。スワップ取引は、商品取引所法1a(18)条に規定される適格取引参加者(ECP)である投資家のみが行うべき取引である。先物やスワップはいずれもレバレッジ投資であり、取引に求められる金額は取引価額のごく一部にすぎないため、当初差し入れた証拠金を上回る損失を被る可能性がある。したがって、トレーダーは生活に支障をきたすことのない資金のみを使用すべきである。また、あらゆる取引から利益の獲得を期待できるわけではないため、1つの取引に対して資金の一部のみを充当する必要がある。
CMEグループ、地球形のロゴ(the Globe Logo)、CME、Globex、E-Mini、CME Direct、CME DataMine及びChicago Mercantile Exchangeは、シカゴ・マーカンタイル取引所の商標である。CBOTは、シカゴ商品取引所の商標である。NYMEXは、ニューヨーク・マーカンタイル取引所の商標である。COMEXは、Commodity Exchange, Inc.の商標である。その他すべての商標は、それぞれの所有者に帰属する。
本内容は、CMEグループがあくまで一般目的のために作成したものである。CMEグループは、いかなる誤謬や脱漏に対しても責任を負わない。また、本内容中の事例や情報はすべて、説明のためにのみ使用されたものであり、投資の助言又は実際の市場における経験の結果と考えるべきではない。本内容中の規則や要綱に関するすべての事項は、CME、CBOT、NYMEXおよびCOMEXの公式規則に準拠するものであり、これらの規則集が優先される。取引要綱に関する事項を含め、いかなる場合においても現行規則を参照する必要がある。
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